top of page

生物多様性オフセット・バンキングとは

◆生物多様性オフセットとは

 開発事業により回避しても最小化しても残る自然環境への悪影響を別な場所に開発事業者の責任で復元、創造、維持管理することで影響を相殺する仕組みです。100ヵ国以上が制度化またはその検討に入っています(IUCN,2019)。

​日本では制度化の検討段階にあり、類似した事例が報告されています。

 生物多様性オフセットは開発事業による自然環境への悪影響を緩和する最後の手段です。オフセットに至るまでの検討をミティゲーションヒエラルキーといいます

​回避ミティゲーション
事業の計画段階で代償することが難しい自然環境を明らかにするなどして開発事業の全面的(中止)、時間的(延期)、空間的な回避を行う
最小化ミティゲーション

回避しても残る自然環境への悪影響は構造変更等により自然環境への悪影響を最小化

代償ミティゲーション(オフセット)

回避しても最小化しても失われる自然環境を質、空間、時間の観点などから評価し、同等の自然環境を別な場所で自然環境を復元、維持管理

◆生物多様性バンキングとは

 生物多様性オフセットの効果を上げるために事前にまとまった土地で第三者(バンカー、土地をバンクという)が自然環境を復元、創造、維持管理し、その成果(クレジット)を開発事業者は購入することで生物多様性オフセットの義務を果たしたものとする仕組みです。これにより事前に保全を行うことで開発による自然環境への悪影響が出るまでのタイムラグを減らし、まとまった土地で自然復元の専門家が保全活動を行うことから自然復元に失敗するリスクを小さくできるなどの利点があり(田中,1999)、現在米国、ドイツ、オーストラリアを中心に制度化されています。

生物多様性バンキング

まとまった土地を事前に確保し自然復元を実施、成果をクレジットとして販売

開発事業者はクレジットを購入することで代償ミティゲーションの義務を果たしたことになる

bottom of page